独立型ORC発電システム(5kW級)

「独立型ORC発電システム(5kW級)について廃熱活用のご提案」を分かりやすく説明する動画(2分30秒)を制作しました。
是非ご覧ください。

※動画再生時の音量にご注意ください。

産業系廃熱をエネルギーに変換
容積型のスクロール膨張機による高効率な独立型ORC発電システム

 株式会社馬渕工業所(以下、当社)は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)国立大学法人東京大学生産技術研究所宮城県産業技術総合センターと共に、優れた発電出力と国内最高レベルの省エネ化を両立した「独立型ORC発電システム(5kW級)」を開発し、廃温水温度80℃以上で、継続して4.5kWの安定した発電出力を達成しました。

 従来のORC発電システムは小規模な発電装置では発電効率が低いですが、今回共同開発した独立型ORC発電システムは約40~50kWの省エネルギーに成功しました。また本システムでは、工場などから出る廃熱で発電した電力をバッテリーに蓄電し、これを利活用することで、安定的な電力供給を行うことが可能となります。これにより、地域社会におけるエネルギー供給のバックアップ体制の強化を図ります。

脱炭素経営EXPO220318

 当社は発電システム実証実験をエコミュージアム21(鈴木工業(株))にて、産業廃棄物処理用焼却炉の廃熱冷却水を熱源に活用し行いました。温度帯が想定値よりも大幅に低い50℃~60℃の廃温水の温熱について熱交換を行い、スクロール方式膨張機で作動媒体を膨張させ、その力で「独立型ORC発電システム(5kW級)」を運用した結果、1.5kW程度の発電に成功しました。またこの中で、必要熱量については20~30kWであることを確認しました(表1)。この温度帯で、従来のORC発電システムの発電実績と比較すると、開発品は140%以上の発電出力を達成したことになります。これは、発電機を稼働させるスクロール式膨張機の効率化としては国内最高レベルであり、「独立型ORC発電システム(5kW級)」が産業系廃熱の有効活用に向けて道を開いたことになります。

廃温水採水場所 廃温水温度 発電出力 必要熱量
当社研究棟ボイラー 90℃以上 5kW以上 75kW
80℃以上 4kW以上 60kW
鈴木工業(株)
エコミュージアム21焼却炉
50℃~60℃ 1~1.5kW以上 20~30kW

脱炭素経営EXPO220317

【詳細は下記ページをご覧ください。】
NEDOニュースリリース.pdf
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)HP
マイナビニュースHP
MONOist

 プロジェクトの概要

 東日本大震災以降、地熱・温泉熱・産業系廃熱などの未利用廃熱を活用した有機ランキンサイクル(ORC)発電システム※1が注目を集めています。未利用廃熱の活用策としては潜在需要が大きい一方、5kW級の小型ORC発電システム分野では発電した電気の品質条件が厳しく、発電事業者側でこれに対応する必要があることから、コスト増の一因となっています。このため低コストで高効率な独立型ORC発電システムの開発が求められていました。
 従来型小型の発電システムに比較し、大幅な発電出力向上および、設備設置費用の低減を実現した省エネ性能が向上した「独立型低価格ORC発電システム」を小規模・低温度域の熱源を対象にし、市場投入した際の「個別化」「分散化」したユーザー需要を喚起させることで新市場を形成することとして、中小・ベンチャー企業を対象とした「NEDO-2020年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に採択されました。

・NEDO公開情報
https://www.nedo.go.jp/koubo/DA3_100274.html
・採択テーマ一覧
https://www.nedo.go.jp/content/100924630.pdf
・「NEDO-2020年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」
ORC-1

【 注釈 】
※1 有機ランキンサイクル(ORC)発電システム
発電所などが使っている蒸気サイクル(ランキンサイクルシステム)の作動媒体を一般的な水から、より低沸点の媒体(フロンガスなど)に変更し、中低温の熱源であっても蒸気を発生させることで、タービンを回すシステムです。温泉・地熱などを使ったバイナリー発電や、小型木質バイオマス発電での熱電供給システムとして活用されています。

 今後の予定

当社では2025年頃の実用化を目指し、工場廃熱や排ガスなどを利用したORC発電システムの実証実験を進め、廃熱のさらなる有効利用を通じた省エネ化と、温室効果ガスの排出量削減に貢献します。

 お問い合わせ

【 NEDOの実証実験にご協力いただける方 】
事前調査用紙にご記入の上、orc#mabuchi-engineeringにメールにて送付下さい。(送信時は#を@に置き換えて下さい)
Word 事前調査ご記入用紙(25.1KB)

【 問い合わせ先 】お問い合わせフォーム または 環境事業部 TEL:022-247-0181
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